そのキャッシング、本当に大丈夫?
多重債務に陥って返済を何度も滞らせたり、債務超過によって自己破産や個人再生を申請することになると、これらの情報は「事故」として個人信用情報機関に記載されます。この記録は短くて10年、長いと10年記録は抹消されずに残ります。こうなると、消費者金融に新規の貸付を申し込んでも、ほぼ、確実に審査に通りません。この状態を俗に「ブラックリスト」といって、人によっては、一生、消費者金融とお付き合いできないと言うことにもつながります。
この、個人信用保証情報は、弱点があります。
個人使用情報は、基本的には個人情報に消費者金融からの借り入れの記録が上乗せされたものです。ですから、個人情報の基本になる、氏名が変わってしまうことがあると、信用保証情報は真っ白になってしまいます。こうした方法を「戸籍のクリーニング」などと言って、債務逃れに悪用する人が増えたため、最近は、信用保証情報に全く記録がない人も警戒されるようになっています。悪用すると、ブラックリストになっている火はずの人が、過去の自己記録を抹消することができるという危険や、それを警戒するあまり、全く落ち度のない個人的な事情で婿養子に入ったり結婚した人が、あらぬ疑いをかけられてローンが組めないといった問題もはらんでいます。ブラックだけでなく、ホワイトリストもある、というところでしょうか。
一方で、総量規制の影響で、ブラックリストではなくても新たな借り入れが難しい人が増加している中、「ブラックOK」などのうたい文句で、消費者金融大手から借り入れができなくなった人ばかりを狙って貸し付け対象にする金融業者が急増しています。
こうした金融業者の多くは、一見普通の消費者金融に見えて、その実は違法な高金利で営業許可を取らないで貸付を行う、いわゆる「ヤミ金」です。こうした業務形態そのものは、貸金業法の規制対象であり、罰則があるのですが、貸金業法改正によって、新たな借り入れがしづらくなったという現状を受けて、そうした人々を新顧客として取り込もうと、違法招致で新規営業を始める業者が、むしろ増加している傾向があります。また、このような業者に貸付を申し込む人は、しばしば、法律上の規制云々よりも、目の前の現金と、その後、自分がいくら返済すればいいのか?だけが問題という考え方をするケースが目立ちます。借金は返済額を押えるために充分な返済計画の立案が必要なのですが、そうした考え方に馴染まない人が、どうしてもヤミ金からの資金援助を利用してしまうようです。
ブラックOKという広告は、相手の弱っているところを見越して、ある意味悪質に誘いをかけているのであって、乗って良いことは何もありません。怪しいと思ったら、手を出さない勇気も必要です。もし、うっかり借りてしまったときには、法律家に相談するなど、迅速に対応策を検討して、被害が広がらないような手配も必要です。