住宅ローンの変数変更

住宅ローンの支払いがきついから、年数変更したいけど、可能ですか?

住宅ローンの年数変更はできる?できない?

住宅ローンの年数変更には、「返済期間を延長する場合」と、「返済期間を短縮する場合」の2つの方法があります。返済期間を短縮する場合、とは、基本的には繰り上げ返済の時に良く行われる方法で、ある程度まとまった金額を繰り上げ返済することで元本を減らし、月々の返済額は変更しないまま、返済の期間を短くします。こちらは、手数料を払って入金するわけですから、銀行側もすんなり応じてくれることがほとんどでしょう。

他方、返済の年数を延長する方は、ちょっと簡単ではありません。

こちらは、おおざっぱに3通りの方法が考えられます。

ひとつは、現在借り入れて返済している銀行と協議して、利息を高くする代わりにローンの見直しをしてもらい、返済期間を延長することで、毎月の返済額そのものは少なくする、という方法です。これは銀行側の協力が不可欠ですし、債務者側にもメリットと言えば、毎月の返済額が小さくなることぐらいで、債務そのものは膨らみます。現実的な利益はなく、金融機関としても合意は見込めない方法でしょう。実際、ほとんどの銀行では応じてもらえず、事実上不可能とみて間違いありません。

もう一つは、他の、金利が安い銀行に借り換えを行って、借り換える際に、年数を延長することで、月々の返済額を縮小する方法です。こちらも、現在借りている金融機関の協力が必要にはなりますが、確実に返済をしてもらえるという点が強みです。金利の差によっては、債務の大幅な縮小が期待できます。

ただし、借り換えの際に管理費等の名目で手数料が発生するため、その分を考えると実質金利が1%を割り込んでしまう可能性もあります。金利の差が1%未満では、借り換えのメリットは少なくなってしまいますから、その点に注意しなくてはなりません。

フラット35を利用した年数延長

金融機関の住宅ローン借り換えのほかに、フラット35を利用する方法があります。

この方法だと、実質的にローンの年数延長が可能となり、更に利用の仕方によっては、従来不可能であった長期ローンを組んだのと同じ効果が生まれる場合もあります。

フラット35は、金融機関と住宅金融支援機構の提携によって提供される住宅ローンです。取扱金融機関が限られているというデメリットはありますが、金利が35年間固定であることや、保証料が不要で、繰り上げ返済の手数料が不要であること、ローンの対象である住宅は一定基準以上の施工が約束されることなどはメリットと言えるでしょう。一般に、民間の金融機関よりは低金利であることが見込まれるため、借り換えの対象として利用も可能です。借り換え日から35年の借り入れ期間にすることで、実質的に、ローン期間の延長ができる形となります。

ただし、借り換え前の金利との差や、団体信用生命保険への加入が義務付けられるなどの条件もあるため、実質的な金利のメリットは小さくなってしまうこともあります。実際の返済条件がどうなるかについては、事前に十分なシュミレーションを行って利用するとよいでしょう。そのような詳細な相談も、取扱窓口で行ってもらえるので、ぜひ、相談なさってからのご利用をお勧めします。

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