ローンと担保の基礎知識

ローンでよく聞く「担保」ってなに?

そもそも、「担保」とはなんのこと?

担保、というのは、平たく言えば「借金のカタ」です。時代劇などでは、親の借金の証文などを携えた、荒くれ者が「この証文が証拠だ!払えねえなら、約束通り、借金のカタに娘をもらっていくだけよ!」などと、嫌がる若い娘さんを人さらいのごとく無理やり連れ去るなんて場面があったりします。ちょっと極端ですが、つまり、担保とは、「借金を返せなかったときに、代わりに差し出すことにによって、返済に充ててもらうもの」ということができるでしょう。

お金を貸すほうにしたら、貸したお金が返ってこないと、自分の事業が立ち行かなくなり、倒産などの危機に陥ることになってしまいます。ですから、貸すほうは、万が一にでも、返済ができなくなった時のために、違う方法でも回収できるように「保証」を付けることで、貸し倒れの危険を小さくしているわけです。

保証には2種類があり、「人的保証」と「物的保証」という名前で区別されています。

人的保証というと、前述のように、人身売買をしてその代金で払うことか?と誤解されてしまいそうですが、これは間違いで、今の言葉でいえば、保証人や連帯保証人、連帯債務者などがその立場に当たります。

そして、物的担保が、住宅ローンなどの建物につける「担保」ということになるわけです。

担保は、それを差し出すことで、万一、返済できなくなっても、担保物を処分してもらうことで、残債の返済義務を免除してもらえます。また、契約によっては、利率を下げてもらえるなどの利点がある一面もあります。

担保設定登記とは?

担保を利用して小口の現金を貸し付ける、というと、分かりやすい例が「質屋」です。質草(担保物)を、質屋に持ち込むことで、利用者は厳禁を借り入れることができます。借りられる金額は、あらかじめ質草の金額に対し、何割、という形で上限が決められています。質草を預け入れることで、万一、借入金が返済できなくても、質屋さんは、担保物である質草を売却することで、貸し倒れを防ぐことができますし、借りる方は、万一返せなくても、質草を流してしまえば、それ以上の返済を要求されることはありません。

しかし、質草のような小さなものなら保管ができますが、自動車や、土地や住宅のような不動産は、預け入れるということができません。

その一方で、自動車や不動産の購入にかかる金額は高額であって、当然、借入金も大きくなります。また、返済期間も借入金額に応じて長くなります。その間、無担保で貸し付けるというのは、貸す側にはできないことです。

そこで、自動車や、不動産の場合は、「担保設定登記」という方法で、債権者が、万一返済が滞った場合は、所定の手続きを取れば、その担保物を自由に処分することができる、というルールを法律で定めているのです。手続き方法が複雑になりますが、基本的には質屋さんの質流れと、本質は同じということです。

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