住宅ローンとローン債権の違い

ローン債権と住宅ローンは何が違う?

住宅ローンとローン債権

日本では、住宅の購入を考えるときに資金調達をするのは、銀行などの金融機関が提供する住宅ローンです。担保として、購入予定の住宅や、生命保険をかけてその積立金を担保として利用することはあっても、ローンそのものを債権化して販売するという方法は、まだ一般的ではない状況です。

しかし、欧米諸国では、モーゲージローンなどの名称で良く利用されている方法です。そのため、将来的には日本でもこうした手法が一般化されるのではないかと言われています。そのため、「未来型ローン」などの名前で呼ばれることもあります。

住宅ローンは、銀行が集めた預貯金などを資金として貸し付ける方法を取りますが、ローン債権の場合、債権化されたローンを投資家などから広く集められた資金が提供されます。

ローンの債権化とは?

前述のように、ローンの債権化という手法は日本の金融市場では利用されていない方法です。そのため、なじみのない私たちには、ちょっと、意味が良くわからないような、面食らったような感覚を覚えますね。

これは、どういう方法かというと、住宅を購入した人が、「住宅を担保に小名根を借りる」という債務そのものを、債権として扱う、という方法です。つまり、債務者である住宅購入者が、月々返済を行うことが、毎月の利回りと収入としてみなされ、万一、返済が滞ったときは、担保物である住宅を差し押さえて、売却することで回収するということになります。

住宅ローンの場合、公定歩合によって、金利が左右され、そのため、借り入れ時から完済までの金利の変動が、借り手にとっては大きな不安要素になります。借りたときの金利が高く、その後不動産価値が下落すると、利用者には大きな負担がのしかかることになります。

これに対し、モーゲージローンの場合は、公定歩合による金利変動の影響を、債務者である住宅購入者がダイレクトに影響されることはなく、その部分は、ローン債権を購入した側が担うことになります。ここが、日本式の住宅ローンとは大きな違いと言えるでしょう。欧米では、これを利点として、30年以上の長期ローンを組むことができる、という意見もあります。

ローン債権が危惧される点

これまで書いてきたように、ローン債権は住宅ローンと比べて、根本的に考え方の違いがあります。ひとつは、借り手と貸し手がダイレクトに直結していないため、個々の関係が分かりにくいという点が挙げられます。仕組みが複雑であるため、利用者に理解がしづらく、その点が、今後の課題と言えるでしょう。

また、ローン債権の場合、住宅の価値が、そのまま、債権の存続にかかわってきます。ですから、住宅市場が急激な下落をしてしまったときは、ローン債権そのものの価値も急落してしまうことになります。これを防ぐ目的で金利が急上昇するなどの危険は潜んでいます。その最たるものが、サブプライムローン問題とも言えます。

一旦下落したローン債権の価値が回復するまでは時間がかかり、そのため利用者が負担を強いられる危険性は大きく、その点は住宅ローンのほうがリスクが小さいといえます。

全体に、ローン債権のほうが利用者からみて、自由度が高いのですが、利用者もその分金融商品に関する知識を請求されるといえそうです。

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